建物明け渡し・立ち退きを求められる際の条件
賃借人に 建物の明け渡しや立ち退きを求めることができるのは以下のような場合になります。
■賃貸借契約の終了(期間満了・更新拒絶)
通常の賃貸借契約の場合、賃貸借期間が満了したとしても、当然賃借人に明け渡しを求めることはできません。
法律上、賃貸借の更新を拒否する場合には、貸主から期間満了の6ヶ月前〜1年前に更新をしない旨の通知をする必要があります。
ただし、賃貸人の側からの更新をしない旨の通知又は解約の申入れは、正当事由がある場合にしかすることができません。
正当事由があるかどうかの判断では、具体的には、賃貸人・賃借人が建物を必要とする事情、賃貸していた期間、利用状況、建物の老朽化の有無、立ち退き料の額等の諸事情に踏み込んで考慮することになります。
立ち退き料とは、不動産を明け渡してもらう代わりに賃貸人が賃借人に支払う金銭のことを言います。 裁判では、立ち退き料を増額しなければ正当事由があるとはいえないと判断されることもあります。
■賃貸借契約の解除
賃借人が賃料を滞納していたり、無断で転貸していたりなどの債務不履行がある場合は、賃貸借契約の解除をすることが考えられます。
しかし、これらの事情があれば必ず賃貸借契約の解除ができるというわけではなく、賃借人と賃貸人との信頼関係が損なわれていると認められる事情がなければなりません。
その判断においては、敷金の金額や賃料の滞納の期間・頻度等を考慮することになります。1、2ヶ月程度の賃料の滞納では、契約書等に一度でも滞納すれば解除できる旨の記載があったとしても、立ち退き請求が認められない可能性が高くなっています。
信頼関係が損なわれたと認められるのは、一般的なアパートの場合だと、3ヶ月以上の賃料の滞納があることが目安となります。
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